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岸部の標高50m付近までは急な断崖となっている一方、標高約100m以上はなだらかな地形で、暖流の対馬海流の影響を受けた海洋性気候であるため亜熱帯植物も多く自生しています。
サツマサンキライの北限育成地でもあります。
夏季・冬季ともに季節風の影響を強く受ける地域で、特に台風来週時には猛烈な南風に襲われます。
スダジイなど自然林と、アコウなど植栽された防風林があります。

 
 

地形と地質

size-large wp-image-643″ />黒島は長崎県佐世保市相浦港の西南西約12kmの沖合にある有人島ですが、西海国立公園の南九十九島の西側に位置しています。
東西約4.5 km,南北約 2 kmの東西に長い島で,最大標高は島の中央部で134.3 mです。
黒島の地質は野島層群とそれを覆う黒島閃緑岩とから成り、黒島西部には野島層群中に、県下最大規模の岩脈・玄武岩質岩脈(県指定天然記念物の串ノ浜岩脈)があります。
北岸の黒島港から島の中央部を通り南岸の名切ノ浜に至る北西-南東方向にほぼ直線状に谷が発達しており、断層破砕帯に沿う侵食地形と考えられています。
(※日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要・黒島閃緑岩(長崎県佐世保市)の角閃石K-Ar年代・小坂和夫・中原武久より)



 

串ノ浜岩脈

013800万年前の地殻変動によって、地下のマグマが岩盤の裂け目に入り込んで冷え固まりました。
その後、周囲の岩盤は波によって削られ、硬い岩脈部分だけ残ったとされています。
総全長300m以上もあり、長崎県最大の規模で火山性の地質構造を間近に見ることができる自然の造形です。


 

生物多様性の豊かな植生

027キイレツチトリモチ・サツマサンキライ・モクタチバナの生育北限地であり、ミヤコジマツヅラフジも北限に近いと言われています。
このように北限種がまとまって生育する場所は貴重で、海岸にはハマオモト・ハマゴウが生育し、本土側で唯一カワラヨモギが生育しています。
佐世保市内において、希少野生生物が多く生息生育する場所や、生物多様性が特に豊かな場所などを、「保全することが望ましい地域」として抽出し、佐世保市レッドリストに黒島と伊島が掲載されています。


 

アコウの巨木

kuroshima001暖地系の植物で、クワ科。成長が早く、黒島では防風林として利用されてきました。
別名「タコの木」や「締め殺しの木」ともよばれ、石垣などを巻き込み成長を続けます。
アコウの木には、枝から延びるように生えた根のような“気根”があり、空中にのび、呼吸を助けています。
島内各地に自生していますが、根谷地区のアコウの木が巨木となっています。


 

縄文から残る自然林

jinjya黒島神社には、島唯一の自然林で、照葉樹を主体とした縄文の森の面影がみられます。


 

サツマサンキライ

P1000555薩摩山帰来(サツマサンキライ)は、ユリ科シオデ属のツル性植物で、5月の節句の頃、団子を包む葉でお馴染みのサンキライの仲間です。
従来、宮崎県の青島が北限と言われていましたが、黒島で成育が確認されこの地が、北限の植物です。
鋭い棘が多いサンキライ(別名サルトリイバラ)との区別は、サツマサンキライは棘が少なく小さく、花期も1~2月の寒い時期で明らかに違いがあります。
花は葉間に4cmほどで球状白黄色、小さな花の集合花で実は黒く熟します。


 

根谷の大サザンカ

kuroshima002根谷地区の大さざんかは、樹齢250年と推定され、根回り1.8メートル。樹高10メートル以上の巨木で、長崎県北最大級の山茶花(サザンカ)です。
毎年、黒島潜伏キリシタンのシンボルでもある白い花を咲かせ、実からとれる油は1800年頃に移り住んだキリシタンの生活の一部を支えました。
学術的にさざんかの樹齢は400年ほどと言われます。